腟の入り口の痛みやかゆみ、腫れの原因は?どの病院にいけばいい?

放置しても大丈夫なとき、病院に行くほうがいいとき

放っておいてよいできものから、一生つき合わなくてはいけない性感染症まで。考えられる原因は何?

自分の外陰部を見たことがない人が多いのは困りもの

 腟や尿道口(おしっこの出口)の周辺、つまり外陰部にできものがある、イボ(ブツブツ)がある、という理由で外来に来る人がいます。しかし困ったことに、自分の外陰部を見たことがないという人も珍しくないのです。

 外陰部は他人と比べることは少ないので、「これが正常なのかどうかわからない」のは当然だとしても、普段の自分の体がどうなっているのかは、知っておくべきです。知っておかないと、いつもと違うのかどうかがわかりませんからね。
 今日、お風呂に入るときにぜひ自分の外陰部を鏡に映して観察してみてください。

「数週間たっても大きくならず、痛くもかゆくもならない」場合は問題なし

 外陰部のできものは、一般論としては「数週間たっても大きくならず、痛くもかゆくもならない」場合はそのままでも問題ありません。治療が必要なのは、感染症や悪性腫瘍だったり、たとえ良性でも生活に支障が出てきたり、そのまま放置するとトラブルになるような場合です。
 場所が場所だけに「観察」するのは気が引けるかもしれませんが、他人(医師)に見せるかどうかの判断をするのですから、それくらいはやりましょう。

 その上で病院に行ったほうがよいと判断した場合には、婦人科または皮膚科に行きましょう。ほとんどの病気は、どちらの科でも治療は可能です。少なくともその後の対応についてのアドバイスをもらえます。

「痛い、かゆい、大きくなる」場合は病院へ

(1)尖圭(せんけい)コンジローマ →婦人科または皮膚科へ
 外陰部に先のとがったブツブツがたくさんできて小さなカリフラワーのようになることが多く、痛みやかゆみはほとんどありません。
 ヒトパピローマウイルスの感染が原因で起こる、主にセックスで感染する性感染症の一つで、最近増えている印象があります。
 がんのように命を奪うことはありませんが、見栄えも悪いし、妊娠中に発生した場合、赤ちゃんへの感染を防ぐため帝王切開になることもあり、女性にとって大きな問題です。

 手術で切除したりして治療しますが、ウイルスをなくすことはできないので再発をくり返します。他人へ感染させないために、ブツブツがあるときにはセックスをしないようにします。また、ブツブツがなくなってもウイルスは残るため、セックスのときはコンドームをつけましょう。陰部を触った後は手を洗いましょう。
 ワクチンで防げるようになったため、そのうちに患者は減ると期待しています。

(2)性器ヘルペス →婦人科または皮膚科へ
 外陰部に小さな水ぶくれがたくさんでき、それがつぶれてただれたりします。初めて感染したときはとても痛くて座ることもできず、腫れてしまっておしっこが出せなくなるくらいで、入院する人もいます。
 唇の周辺にできるヘルペスと同じ、単純ヘルペスウイルスが原因で起こります。これもセックスによって感染し、よく再発します。

 ヘルペスには抗ウイルス薬が有効で、早めに治療をすることで症状が軽く済みます。がまんできなくなってから駆け込んでくる人もいますが、早めに受診すれば早く楽になります。

(3)毛嚢炎(もうのうえん)、粉瘤(ふんりゅう) →婦人科または皮膚科へ
 大きなニキビのようなもので、外陰部には分泌腺も多いため珍しくありません。放置しておいてもよい場合がほとんどですが、細菌感染した場合には赤く腫れて、痛みがひどくなります。その場合は麻酔をして切開したり、抗菌薬を内服したりして治療します。

(4)バルトリン腺嚢胞(のうほう) →婦人科へ
 腟の入口、肛門に近い部分のあたりが腫れ、直径3cmくらいの大きさになることもあります。単に腫れているだけで痛みもなければ、治療の必要はありません。細菌感染を起こした場合にはとても痛くなるため、切開して膿を出したり、抗菌薬を内服して細菌を抑えこんだりします。くり返す場合もあります。

(5)その他の良性腫瘍 →婦人科または皮膚科へ
 体のどの部分にも「できもの」はできますが、良性の場合には大きさは変わらないことが多いです。大きくなる場合は麻酔をして完全に切除します。

 自分の外陰部を普段から観察して、正常な状態がどんなふうなのかを知っておくようにしましょう。症状がある場合は早めに病院を受診した方が有利ですよ。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
太田 寛先生


慈桜会 瀬戸病院産婦人科(埼玉県所沢市)
北里大学医学部公衆衛生学 助教
1989年京都大学工学部電気工学科卒業後、日本航空株式会社羽田整備工場に勤務。2000年東京医科歯科大学卒業。茅ヶ崎徳洲会総合病院産婦人科、日本赤十字社医療センター産婦人科勤務を経て、2009年北里大学医学部公衆衛生学助教に。2012年瀬戸病院産婦人科勤務、現在に至る。医学博士、日本医師会認定産業医、日本産科婦人科学会専門医。

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