気分が落ち込みがちなときに効く漢方と養生法

「気分が落ち込みがち」改善-漢方医学、西洋医学での対処法

ストレスを避け、自律神経をととのえる



  • 出典:株式会社法研「女子漢方」
  • 著者:矢久保 修嗣 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 科長
  •    木下 優子 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 外来医長
  •    上田 ゆき子 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 救急担当医長


漢方医学の考え方

症状

何に対してもやる気が出なかったり、気分が落ち込んで楽しいと思えなくなることがあります。

これらは、エネルギー、つまり気の流れが停滞している気滞(き たい)の状態だと考えられます。

気が滞っているのでのどや胸のつかえ、息苦しさなどを感じます。また、食欲不振、便秘・下痢、イライラ、のぼせ、動悸、めまいなどがあらわれる人もいます。

おもな原因は、精神的なストレスで、そのほか、過労や不眠などによって生活が不規則になったりすることでも気の流れが滞ると考えられます。

また、女性の場合は、ホルモンのバランスが崩れることでも、このような状態になることがあります。

漢方処方

うつ状態の治療は、通常、西洋薬を選択するのが一般的ですが、漢方で治療する場合には、漢方薬を処方するとともに、十分な栄養と睡眠をとって、気のバランスをととのえながら経過をみます。

*ストレスが強く元気がない場合

体内の


西洋医学の考え方

症状

何をするのも楽しめず、おっくうに感じたり、イライラ、息苦しさ、不眠、食欲の低下が生じることがあります。一つひとつの症状は、珍しいものではありませんが、うつ病は、こうした症状が2週間以上続く状態を言います。

気分だけではなく、脳の機能が低下している状態で、考え方が悲観的になります。悪化すると自殺を考えてしまう人もいます。脳がうまく働かないため、考え方の道筋に混乱が生じているのです。

おもな原因は、仕事や人間関係のトラブル、環境の変化、過労などです。

なお、症状は精神的なものだけとは限りません。頭痛や肩こりなどの身体症状があらわれる場合もあります。身体症状のみで、精神症状が目立たない仮面うつ(隠れうつ)というものもあります。

対処法

治療方法は、原因や患者さんのストレスになっている環境要因など、一人ひとり異なります。気分の落ち込みが生じている原因がはっきりしている場合は、その原因をとりのぞきます。たとえば、環境が原因の場合は、環境を変えることを検討します。

うつ病だと診断された場合は、薬物療法としてSSRIと呼ばれる抗うつ薬が処方されることがあります。

そのほか、認知行動療法もあります。認知とは、ものの受け取り方のことで、物事を悲観的に受けとりがちになっている状態から、ストレスに対応できる心の状態をつくっていく療法です。気が不足していて、うまく気が巡っていない場合には、気を補って巡りをよくする漢方薬、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が有効です。

*元気があり、のぼせや動悸、発汗がある場合

気が上にあがってしまう気逆の状態がある人は、婦人科系の多くの症状を改善し、気のバランスをととのえる加味逍遥散(かみしょうようさん)を使います。

*むくみやめまいがある場合

水が停滞する水毒(すい どく)の状態によって、気も停滞している可能性があります。まずは、立ち仕事などで足がむくむ人によく処方される防已黄耆湯(ぼう い おう ぎ とう)で水毒を改善します。

いずれにしても、慢性化すると、治りにくくなるので、早期の対応が重要です。


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