夫婦間のDVの被害者の98%は女性-被害者や子どもへの影響

自分さえ我慢すれば・・・と思うことはありませんか?

 

 人間関係の中でも、夫婦の関係に悩む人は少なくないと思います。家庭内の問題は個人的なことであって、自分さえ我慢すれば、あるいは自分が態度や行動を変えれば何とかなるだろう、と誰にも言わずにいる場合が案外多いかもしれません。
しかしそれらのことは、DV(ドメスティックバイオレンス・配偶者からの暴力)として一般社会でも問題になっていることと同じものかも知れないのです。昨年1年間に、警察に寄せられたDVに関する相談は、1万8千件を超えており、その被害者の98%以上は女性です(平成18年 警察庁調べ)。

DVの形

 DVは様々な形をとります。例えば、夫が妻の日々の行動や交遊関係を細かくチェックしたり干渉する、「誰のおかげで生活できると思っているんだ。」等威圧的な態度を取る、生活費を渡さない、こちらから何を言っても無視して口をきかない、妻の仕事を辞めさせたり外で働くことを認めない等、精神的・心理的ないやがらせや攻撃を加えてくる場合があります。更に物を投げつける、殴ったり蹴ったりする、引きずり回す、刃物を突きつける等の身体的な暴力や、いやがっているのに性関係を強要したり、避妊に協力しないといったパターンもあります。
 常にこのような状態が続くわけではなく、一度爆発した後には普段以上に優しい態度を取ったり、反省するそぶりを見せたりすることもあるようです。ただその期間は長続きせず、またイライラとした態度を見せるようになり、再び爆発へとつながるサイクルがあるとも言われています。

被害者への影響

 被害に遭った側は、「自分がいけなかったのでは」「夫が自分のことを思ってくれているからでは」、または「優しいところもあるのだから悪い人ではない」「いつか変わってくれるだろう」等、自分自身を納得させることもあるようです。しかしそのままにしておいても、暴力が止むことはありません。また実際に暴力を受けなくても、ちょっとしたことで過去の記憶が恐怖感と共によみがえり、抵抗することが難しくなったりします。夫の顔色を伺いながらの生活の中で、無力感にさいなまれたり、経済的な問題や子供のことなどもあって、具体的な行動(夫の元から逃げる、離婚する等)に踏み切れない場合も少なくありません。身体の傷は癒えても、精神的なショックとダメージは消えづらく、気持ちが不安定になったり、体調を崩してしまう場合もあります。子供にも多大な影響を与えます。

個人的な問題でないDV

 このような問題が起きたら、自分だけで抱え込んだりせず、相談したり助けを求めることが重要です。周囲からは、「夫婦の間にはよくあること。大した問題ではない。」「あなたが我慢すればいいことだ。」「もっと夫をいたわるべき」等の反応が返ってくることがあります。しかしDVは根本に男尊女卑の意識が残る人権問題であり、決して個人的な問題ではありません。法律によって、被害者を守る方法もあります。

 自分自身には起きていない場合でも、もし身近なところで見聞きしたり、相談されることがあったら、話しをよく聴き「あなたは悪くない」というメッセージを伝えたり、専門機関への相談を勧め、被害者を孤立させないことが大事です。

参考資料:
「配偶者からの暴力被害者支援情報」
(内閣府男女共同参画局 http://www.gender.go.jp/

「配偶者からの暴力事案の対応状況について」
(警察庁 平成19年3月8日発表 http://www.npa.go.jp/safetylife/index.htm

 

【執筆】
京嶌千香子カウンセラー


各分野の専門知識・豊富な実績をもつ、こころのマッサージルームピースマインド・イープのカウンセラー。ピースマインド・イープでは対面・電話・オンライン等、本人の希望にあわせてカウンセリングに対応している。

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