多くの人が悩まされている片頭痛。しかし、片頭痛は一旦症状が治ると、痛みがきれいに消えてしまいますから、日頃、あまり意識していなかったり、痛みが出た時だけ鎮痛剤を服用したりする人も多いのではないでしょうか。しかし、中には日常生活に支障をきたすほど、辛い片頭痛に悩まされている人もいます。また、薬で痛みをコントロールできているとはいえ、もしかしたらその影には病気が潜んでいるかもしれません。痛みの原因を確認し、対処法を理解しておきましょう。
生月 弓子先生(ミッドタウンクリニック)
信州大学医学部 卒業
東京大学 大学院 卒業
医学博士 日本産科婦人科学会 認定医
婦人科(子宮、卵巣)癌検診、健康相談、また避妊、低用量ピル、緊急避妊ピル、月経調節、月経困難症、過多月経、月経異常、不正性器出血、月経前症候 群、子宮筋腫、子宮内膜症、婦人科腫瘍、更年期症状、掻痒感、性感染症、不妊、妊娠などの一般産婦人科診療、セカンドオピニオンも行っている。

慢性的に起こる片頭痛。緊急性ではないけれど、適切に対処を!

命の危険はないとはいえ、日常的に頭痛が起こるのは辛いですよね。以下に、慢性的に起こる片頭痛3タイプを挙げました。いずれかの頭痛が単独で起こる場合もありますし、また、人によっては複数の頭痛を併発していることもあります。これらの症状が見られる場合、頭痛外来や内科など専門医に相談すると、適切な対処法を教えてくれます。

1)一般的な片頭痛

片頭痛の特徴は、週2回〜月1回程度、間欠的に頭痛が起こるということ。多くの場合、頭の片側が痛み、一旦発症した頭痛は4時間〜72時間程度続きます。片頭痛が起こる2〜3日前から食欲亢進やあくびなどの前兆が見られ、吐き気や胃のむかつきが現れるほか、目の前にチカチカとした光が現れたり、視野の一部が見えにくくなる閃輝暗点(せんきあんてん)が出たりすることもあります。片頭痛が起こったら、暗くて静かな場所で横たわって休息をとると良いでしょう。また、痛む部分に濡れタオルや冷却シートを当てると、血管が収縮して痛みが和らぐこともあります。

原因:片頭痛

治療法:薬物療法

チェック方法:頭の片側の痛み、吐き気、胃のむかつき、においや光に敏感になる

関連する病気: 片頭痛

2)緊張型頭痛

慢性的に起こる頭痛の中で、もっとも頻度が高いものを緊張型頭痛と言います。無理な姿勢を長時間続けていたり、心身に対するストレスを長い時間、受け続けていたりするときに起こります。特徴は、頭を何かに締め付けられるような頭痛が起こること。この状態が、長ければ10日間くらいほど続くこともあります。肩こりや首すじの痛みなどを伴うことが多いので、緊張型頭痛が起こったらストレッチやウォーキングをして体の緊張をほぐすことがおすすめ。また、ぬるめのシャワーを浴びたり、入浴したりすることも効果的です。

原因:緊張型頭痛

治療法:薬物療法、運動療法

チェック方法:頭痛、肩こり、首すじの張り

関連する病気: 緊張型頭痛

3)群発頭痛

ある特定の時期に繰り返し起こる頭痛を、群発頭痛と言います。女性よりも男性に起こりやすく、お酒を飲んだり、タバコを吸ったりした後に頭痛を起こす人が多いようです。頭痛が起こりやすい群発期は1〜2ヶ月間に及び、一旦頭痛を発症すると就寝後や明け方など毎日同じ時間に起こり、激しい痛みが1〜2時間続くことも。群発期を過ぎると頭痛はパタリとやみますが、再び群発期になるとまた、頭痛が再開するのが特徴です。群発頭痛の痛みは、とても急激で激しく、必ず頭の片側が痛みます。発作的に急激な頭痛が起こるので、自己対処は難しいのですが、深呼吸をしたり、外に出て新鮮な空気を吸ったりすることで痛みが和らぐ人が多いようですので、ぜひ試してみましょう。

原因:群発頭痛

治療法:薬物療法

チェック方法:頭の片側に激痛、短時間の頭痛を一定期間に繰り返す、目の充血、鼻水

関連する病気: 群発頭痛

それは「片頭痛」じゃないかも!? 放置すると命のリスクがある危険な頭痛

このように、片頭痛はとても日常的な疾患で、繰り返し現れる性質を持っていますが、同じ頭痛でも、次のような症状が見られたら注意が必要です。なかには、そのまま放置しておくと命のリスクに関わるものもあるので、早めに医療機関を訪れましょう。

1)バットで殴られたような、急激な痛みが突然現れる

突然、バットで殴られたような激しい痛みが起こった場合、まず疑われるのはくも膜下出血です。「くも膜」とは、脳の表面を覆っている膜のひとつであり、この下に出血が起こった状態を「くも膜下出血」と言います。脳の血管が膨らんでできた脳動脈瘤が破裂したことが主な原因で、ほとんどの場合は、破裂するまで症状がありません。また、一旦は完治しても、一度破裂した脳動脈瘤は再破裂する危険性が高いので、特に24時間以内の再発には注意が必要です。一旦、出血が始まると出血量が多ければすぐに意識がなくなったり、命の危険に及ぶことも。働き盛りの40代に多く、一般に男性より女性に多く見られます。初期の自覚症状はほとんどありませんが、吐き気とともに突然、ズキンとする強い頭痛があったら、それはくも膜下出血の前兆かもしれません。早めに病院で検査を受けることをお勧めします。

原因:くも膜下出血

治療法:薬物療法、外科手術

チェック方法:突然の激しい頭痛、嘔吐、吐き気、意識障害

関連する病気: くも膜下出血

2)日頃から血圧が高く、突然、激しい頭痛とともに片側の麻痺や言語障害が現れる

脳の中にある血管から出血している状態を、脳出血と言います。脳出血を起こすと、片方の手や足に麻痺やしびれが現れたり、ろれつが回らなくなり、言語障害が出たりします。先述のくも膜下出血同様、脳の中で出血が起こっている状態ですが、くも膜下出血と異なるのは、脳出血は片側に麻痺やしびれが現れるということです。脳出血は脳梗塞、くも膜下出血とともに、日本人の三大死因のひとつである「脳卒中」に含まれ、脳出血と高血圧の関わりが広く指摘されています。かつては多くの人が脳卒中で亡くなりましたが、近年は高血圧治療が進んだことにより、死者数は減少。しかし、一旦完治しても運動障害や認知症などの後遺症に悩むことも多いので、できるだけ初期のうちに治療を行うことが大切です。

原因:脳出血

治療法:外科手術、薬物療法

チェック方法:めまい、吐き気、嘔吐、突然の激しい頭痛、片側の麻痺やしびれ

関連する病気: 脳出血

3)慢性的な頭痛のほか、視力が低下してきた

脳腫瘍とは、脳や脳を取り巻く組織にできる腫瘍のこと。どの部分に腫瘍ができるかによって、性質や対処法が異なることが多く、「なぜ腫瘍が発生したのか」ということについては、現在も研究が進められています。腫瘍の進行を助長するものには、高たんぱく・高脂肪食品の過剰摂取、過度のストレス、喫煙などが挙げられます。また、ほかの臓器にがんがあったり、身内に脳腫瘍を経験した人がいる場合は、発症リスクが高まることがわかっています。

原因:脳腫瘍

チェック方法:慢性的な頭痛、視神経の異常、言語障害、手足のしびれ・麻痺、吐き気・嘔吐

治療法:外科手術、薬物療法

関連する病気: 脳腫瘍

【まとめ】

日本人にとって、頭痛はとても身近な疾患です。まず、頭痛が起こったら、それが急性的なものか、あるいは慢性的なものか確認すること。そして、慢性的なものであれば、どんな時にどのような痛みが現れるのか、客観的に把握して、医師へ説明できるようにしておきましょう。一般に、片頭痛は命の危険に及ぶことはほとんどありませんが、脳の異常から起こる頭痛の場合は、速やかな対処が必要。安易に自己判断せず、適切な処置を取るよう心がけましょう。

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