突然、肌がかゆくなったり、赤いブツブツができたりすることはありませんか。薬などをつけず、そのまま放置すればやがて症状が消える時もありますが、なかには時間が経つにつれてどんどん症状がひどくなったり、かゆみが増して耐えられなくなったりすることもあるかもしれません。特に、かゆみがひどいと集中力が散漫になったり、仕事や勉強が手につかなかったりして、日常生活に支障がでることもありますよね。かゆみや発疹を引き起こす病気にはさまざまなものがあり、対処法も異なります。ここでは全身にかゆみや発疹を起こす代表的な疾患について説明します。
生月 弓子先生(ミッドタウンクリニック)
信州大学医学部 卒業
東京大学 大学院 卒業
医学博士 日本産科婦人科学会 認定医
婦人科(子宮、卵巣)癌検診、健康相談、また避妊、低用量ピル、緊急避妊ピル、月経調節、月経困難症、過多月経、月経異常、不正性器出血、月経前症候 群、子宮筋腫、子宮内膜症、婦人科腫瘍、更年期症状、掻痒感、性感染症、不妊、妊娠などの一般産婦人科診療、セカンドオピニオンも行っている。

発疹とかゆみによる皮膚トラブル。まずは、これを疑ってみよう

突然、発疹を伴ったかゆみが現れたら、まずは、次のような病気を疑ってみましょう。一般的に発症率が高く、さまざまな年代に見られる疾患です。

1)一日のうちで症状が現れたり、消えたりする

夕方から夜にかけて、かゆみを伴う発疹が現れたと思ったら、翌朝にはすっかり消えていた、という場合があります。このように、一日のうちで症状が現れたり、消えたりする場合は、じんま疹かもしれません。発症の原因はさまざまで、一般に、食べ物や薬剤などが原因となって起こる「アレルギー反応によるもの」、日光や温熱などが原因となる「物理的刺激によるもの」、汗が原因となる「発汗刺激によるもの」の3タイプに分類されます。
そのほか、原因がわからないタイプのじんま疹もあり、1ヶ月以内に治まる「急性じんま疹」や、1ヶ月以上続く「慢性じんま疹」に大別されます。じんま疹が現れたら、かゆみは熱によって増大するので、まずは幹部を冷やすこと。また、原因を突き止めることが確実な治療の第一歩になりますので、すぐに症状が消えたとしても安心せず、一度、皮膚科を受診することをお勧めします。また、まぶたや唇が腫れたり、呼吸困難が見られたりする場合は、すぐに医療機関を訪れましょう。

原因:じんま疹

治療法:薬物療法

チェック方法:強いかゆみ、全身に発疹

関連する病気: じんま疹

2)全身の皮膚が乾燥し、ザラザラする。額や目のまわりに紅斑が見られる

かゆみがひどく、全身の皮膚がザラザラと乾燥したようになったら、アトピー性皮膚炎かもしれません。以前はよく子どもが発症する病気として知られていましたが、最近では大人になってから発症する人も増えています。遺伝的にアトピー体質を持っている人は発症しやすく、ハウスダスト、ダニ、かび、動物の毛などが原因となってアレルギーを発症するケースが目立ちます。軽傷の場合は、皮膚を乾燥から守る保湿剤の使用でかゆみや発疹を抑えることができますが、炎症が見られる場合はステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬を服用して症状を抑制します。

原因:アトピー性皮膚炎

治療法:薬物療法

チェック方法:皮膚の乾燥・発疹・腫れ・痛み・発熱・炎症、強いかゆみ

関連する病気: 成人のアトピー性皮膚炎

3)ある物質に触れた後にかゆみや発疹が現れた

ある特定のものに触れたとき、体に発疹やかゆみが現れることがあります。この場合は接触性皮膚炎かもしれません。原因となる物質はさまざまで、ニッケルやクロムなどの金属、ウルシなどの植物、洗剤やパーマ液などの化学薬品、マンゴやメロンなどの食物など、人によって症状を引き起こす物質は異なります。原因となる物質に触れて12時間くらい経ってからかゆみが始まることが多く、やがて紅斑や腫れが見られますが、徐々に症状が治まってきます。しかし、一旦症状が治まっても、再び原因物質に触れるとかゆみや炎症を引き起こすことになるので、まずは原因となる物質を確認するため、皮膚科でパッチテストを受けることをお勧めします。

原因:接触皮膚炎

チェック方法:特定の物質に触れた後に起こるかゆみ、発疹

治療法:薬物療法

関連する病気: 接触皮膚炎

かゆみや発疹に加えて、発熱も起こったら…?

かゆみや発疹に加えて、発熱も起こることがあります。このようなときには、次の病気が疑われます。

1)赤い発疹ができて水ぶくれになる。数日後にはかさぶたに変わる

発熱に続いて虫に刺されたような赤い発疹が全身に現れ、1日くらいでかゆみを伴う水ぶくれに変わることがあります。この場合は、水疱瘡かもしれません。水疱瘡は水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって起こる感染症です。通常、2〜10歳くらいの子どもに多く見られますが、子どもの頃に発症していない場合は大人になってから発症することも。大人が発症すると重症化することが多く、また、妊娠中の女性が水疱瘡に罹った場合、胎児にもウイルスが感染します。また、感染力が非常に強いため、二次感染を防ぐことが非常に大切です。症状が見られたらできるだけ早めに医療機関を訪れ、適切な処置を行いましょう。

原因:水疱瘡

治療法:薬物療法

チェック方法:全身に水疱、発疹、発熱、かゆみ

関連する病気: 水痘(みずぼうそう)

2)手足の発疹、かゆみ、全身の倦怠感、関節の痛みがある

発疹とともに膝や股関節、腰などに関節痛が現れ、発熱や頭痛などの症状も見られることがあります。特に、急な関節痛と発疹が見られたら、リンゴ病を疑っても良いでしょう。一般に、子どもがかかる病気として知られていますが、実は大人の罹患も珍しくなく、リンゴ病の病原体である「ヒトパルボウイルスB19」に対して免疫力を持たない大人も3〜5割いるとされています。子どもの場合は頰がリンゴのように赤くなることで病気を見分けることができますが、大人の場合はそのような症状が現れることがほとんどありません。その代わり、強烈な関節痛と全身の倦怠感が現れるのが特徴で、そのため、関節リウマチなど他の病気と誤認することも少なくありません。リンゴ病に対する治療法はなく、通常は症状を抑える対症療法のみ行われます。関節痛などの痛みを緩和することもできますから、症状が見られたら皮膚科専門医を受診しましょう。

原因:伝染性紅斑(リンゴ病)

チェック方法:発疹、かゆみ、関節痛、全身の倦怠感

治療法:薬物療法

関連する病気: 伝染性紅斑(リンゴ病)

【まとめ】

全身のかゆみや発疹を引き起こす病気にはさまざまなものがあります。アレルギーを原因とするものから、ウイルス感染によるものなど、それぞれ対処法が異なりますので、かゆみや発疹が見られたら、速やかに皮膚科専門医を受診することをお勧めします。初期のうちに正しい処置を行えば、皮膚に跡を残さずきれいに完治することも可能ですが、万一、かゆみの余りに搔き壊してしまうと、跡が残ってしまうことも。我慢できないほどのかゆみは、医師の指示を仰ぎましょう。

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