帯状疱疹の詳細

 帯状疱疹(図17)は、水痘(すいとう)(みずぼうそう)に感染歴がある人の、脊髄(せきずい)と脳の神経に潜在していたウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が、上皮下の神経に沿って再活性化したもので、免疫力...
 皮膚に帯状に配列する紅斑(こうはん)と小水疱(しょうすいほう)、およびその部分に一致する神経痛様の疼痛を示す病気です(図59)。
 体の左右どちらかの片側に、帯のように水ぶくれ(水疱(すいほう))の集まりができる疼痛を伴う病気で、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスの感染で起こります。  子どもの時にほとんどの人はみずぼうそう(水...

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帯状疱疹(たいじょうほうしん)は水ぼうそうを経験した人なら、だれでも発症するリスクがあります。ストレスや過労など免疫力の低下で発症する痛みを伴う水ぶくれができる病気です。早期治療で後遺症を残さないことが大切ですので、どんな病気なのか、知っておきましょう。

帯状疱疹とはどんな病気か? 原因はみずぼうそうと同じウイルス

体の左右どちらかの片側に、帯のように水ぶくれ(水疱(すいほう))の集まりができる 疼痛を伴う病気で、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスの感染で起こります。

子どもの時にほとんどの人はみずぼうそう(水痘)にかかります。しかし、それが治っても、このウイルスは三叉(さんさ)神経(顔面を支配)や脊髄(せきずい)神経(顔面を除く体の皮膚を支配)の知覚神経節に、遺伝子の形で潜伏しています。

それが長い期間をへて、 ストレスや過労などで体の抵抗力が低下すると、 遺伝子の形からウイルス粒子に変わって再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に現れて炎症を起こします。これが帯状疱疹です。

帯状疱疹の症状の現れ方 始めはチクチクするような痛みから

まず神経痛のような痛みが起こり、その4、5日後に同部位に虫に刺されたような赤い発疹ができ、次第に水疱に変わります。その後、膿疱(のうほう)(水疱が化膿してうみをもつ)、痂皮(かひ)(かさぶた)となって約3週間で治ります。免疫力が非常に落ちていると、全身にみずぼうそうと同じような発疹が現れます。また、深い潰瘍を形成し、痕(あと)になってしまうこともあります。

痛みは、まったくないものや、夜も眠れないような激しい痛みなどさまざまですが、一般に 高齢者は激しく、発疹が治っても半年から数年以上痛みが続く ことがあります。これを 帯状疱疹後神経痛 といいます。

また、糖尿病や副腎皮質ステロイド薬を投与されている患者さんでは、最初は痛みを感じなくても1〜2週間後に激しい痛みを伴うことがあります。

あごや耳から首にかけてできる帯状疱疹は、ラムゼイ・ハント症候群といって、難聴、顔面神経麻痺や味覚障害を合併することがあります。性器にできる帯状疱疹では、便秘になったり尿が出なくなってしまうことがあります。

患者さんのうち約1%の人は、2回以上、帯状疱疹になります。

帯状疱疹にはかかりやすい2つの年齢層がある

帯状疱疹は、日本では6〜7人に1人の割合でかかると言われるほどよくみられる病気です。かつては高齢者に多い病気とされていましたが、最近では若い人にも帯状疱疹にかかる人が増えています。

帯状疱疹のリスクが高いのは、20〜30代と50〜60代、 この2つの年代であることがわかっています。帯状疱疹の原因は、子どもの病気として知られる「水ぼうそう」のウイルス=水痘・帯状疱疹ウイルスです。水ぼうそうは治っても、ウイルスは体内から消えたわけではなく、痛みなどを伝える知覚神経のなかにひそんでいます。このウイルスは、ふだんは何か悪さをするわけではありません。初めて感染したとき、水痘・帯状疱疹ウイルスの情報を記憶して次の侵入に備える「免疫記憶細胞」がつくられ、ウイルスの増殖を抑えているからです。

ところが、免疫記憶細胞は約20年で数が減少し、ウイルスの活発化を抑えることができなくなっていきます。日本では約95%の人が5歳までに水ぼうそうに感染していると言いますから、 20〜30代になると、帯状疱疹のリスクが高くなってしまう のです。その年代の人でも、小さな子どもがいれば、子どもが水ぼうそうになったときにウイルスに接触し、また免疫記憶細胞の数が増えます。でも、それも20年で寿命を迎え、50〜60代になると、再び帯状疱疹にかかりやすい状態になると考えられています。

免疫記憶細胞が減少した世代は、体の免疫力がウイルスの増殖を抑えていますが、免疫力が低下するようなことがあれば、ウイルスが活発になる可能性があります。免疫力が低下する原因としては、過労やストレス、抗がん剤やステロイド薬を使った後、手術後、重病にかかっている場合などがあげられます。若い世代では過労やストレスが引き金になることが多いようです。

帯状疱疹の後遺症があるって本当?

帯状疱疹の治療は、できるだけ早期にはじめることが大切です。帯状疱疹が重症化した場合、心配なのは 「帯状疱疹後神経痛」 という後遺症が残ってしまうことですが、 発疹が出て3日以内に治療を受ければ、後遺症が残る確率は低く なり、皮膚の症状も軽くてすみます。

帯状疱疹後神経痛は、神経の炎症が続いた結果、神経が傷ついてしまうことで起こる痛みと言われ、初期の症状が重い人、高齢の人はとくに注意が必要です。ひどい痛みをがまんしていると、神経は痛みの刺激を受け続けることになり、その状態に耐えられなくなって変性を起こしてしまいます。こうなると痛みが慢性化して長期間続くことになり、これが帯状疱疹後神経痛です。この病気では、痛みをがまんするのは禁物で、早く痛みを取り去って神経を楽にしてあげることが大切なのです。

帯状疱疹の治療には、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬と、炎症と痛みをしずめる抗炎症鎮痛薬が用いられます。薬だけで痛みが改善されないときは、「神経ブロック」という治療をして激しい痛みをとりのぞきます。この治療は、ペインクリニックや麻酔科などで受けることができます。

早く症状に気づくには、帯状疱疹のサインを見逃さないこと。 体の左右どちらかにピリピリした痛みや違和感が出て、その部分の痛みがだんだん強くなり、それが4〜5日続く場合 、帯状疱疹が疑われます。注意して観察し、赤い発疹が出たら、すぐに皮膚科を受診しましょう。予防のため、できるだけ疲労やストレスをためないようにして、免疫力を低下させないように気をつけることも大切です。

帯状疱疹の治療方法

早期の場合は、抗ウイルス薬(ゾビラックス、バルトレックス、ファムシクロビル)の内服が通常の治療ですが、重症の時は入院し、抗ウイルス薬の点滴静脈注射を行います。痛みが激しい時や麻痺がある場合は、副腎皮質ステロイド薬を投与します。

膿疱や潰瘍ができる時期になると抗ウイルス薬は効かないため、できるだけ早く投薬を受ける必要 があります。早期の抗ウイルス薬の投与で、帯状疱疹後神経痛を予防できるといわれています。

水痘ワクチンを50歳以上の人に接種すると、帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の予防になるといわれています。

高齢者の帯状疱疹の治療

高齢者では症状の重篤化を防ぐためにも、早い段階での十分量の抗ウイルス薬治療が望まれます。対症・補助療法として、発疹部には非ステロイド性抗炎症軟膏などの外用、疼痛対策として、消炎鎮痛薬やビタミンB12(神経の修復を助ける)の内服を行います。

帯状疱疹後神経痛には、生活指導(局部を冷やさない、入浴時によく温めるなど)、抗うつ薬、抗不安薬などの内服、神経ブロックなどが有効です。

帯状疱疹に罹ったときに気をつけたいこと

まれですが、他者へウイルスが感染することがあります。 水痘にかかったことのない乳幼児や妊婦との接触は、発疹にかさぶたができるまではひかえるほうが無難 です。

経過中や発疹が治ったあとに、まれにさまざまな合併症、たとえば髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎、ラムゼイ・ハント症候群(顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)、内耳(ないじ)障害、味覚異常)、眼帯状疱疹(がんたいじょうほうしん)(角膜炎(かくまくえん)、角膜潰瘍)、運動麻痺、膀胱・直腸障害などを生じることがあります。

一度かかると終生免疫を獲得するので一般的には再発しにくいのですが、高齢者や、病気により免疫力が低下した患者さんは、再発することもまれにあります。