人間の骨格は関節でつながっています。その数は全部で68個。脊椎(せきつい)のようにあまり動かない関節もありますが、膝関節や手足のように大きく動かせる関節が、私たちの体の自由な動きを支えています。この関節に原因不明の炎症がおこり、痛みや腫れがあらわれ、炎症が進行するとやがては骨が破壊される病気が関節リウマチです。

関節リウマチとはどんな病気なの?

「リウマチ」とは、もともとギリシア語の「流れる」という意味をもつ言葉で、筋肉や関節に痛みと炎症を引き起こす病気の毒素が、体のあちこちに流れていって引き起こされると考えられていたために名づけられたものです。

現在「リウマチ」という言葉は、広い意味で 「リウマチ性疾患」 を指している場合と、狭い意味で 「関節リウマチ」 を指している場合とに使われています。 「リウマチ性疾患」とは、 関節、筋肉、骨、靭帯(じんたい)などの運動器に痛みとこわばりを起こす 疾患で、これには 変形性関節症、膠原病(こうげんびょう)、痛風 などたくさんの病気があります。ここでは、狭い意味での「リウマチ」つまり「関節リウマチ」について説明します。

関節リウマチは、関節の内面をおおっている 滑膜(かつまく) という膜に炎症が起こり、進行すると 軟骨・骨が壊れていく病気 です。日本では、関節リウマチの患者さんは60〜70万人いるといわれています。他の国でもだいたい人口の0・5%くらいの患者さんがいます。この病気にかかるのは主に 女性で、男性の約5倍くらいで、30〜50代で最も多く発症 します。

関節リウマチの症状の進み方とは

全身の 関節にこわばり、痛み、はれ を生じます。 朝のこわばりはリウマチ特有の症状 で、起床時に手指などの関節がこわばって動かしにくく、ぎこちない感じを自覚し、温めたり動かすと数分〜数時間で消えていきます。

こわばり感に引き続いて関節症状が現れます。関節痛は重要な症状ですが、「痛い」だけではなく、 関節の腫れ、発赤、熱感、運動時痛、関節液がたまる 、などの症状を伴います。関節炎は、 左右対称性 に生じ、しばしば移動性で、手指、手、足、膝などの関節に生じます。

また、 微熱、食欲減退、全身倦怠感 などの全身症状や、前腕伸側などの皮下結節、 目や口の乾き、乾いた咳、運動時呼吸苦、甲状腺腫 などの関節外臓器の症状をしばしば伴います。

関節の炎症は、発症の早期から骨・軟骨に広がり、関節の破壊がどんどん進行すると運動が制限され、元に戻らなくなります。手や足の変形は食事や歩行などの日常生活動作を損ないます。頸椎(けいつい)関節炎は後頭部痛や手のしびれ感を、腱に炎症が波及するとバネ指(指を曲げ伸ばしする際にある角度でひっかかり、無理に屈伸しようとするとポコンと指がはねる状態)を、手関節腫脹は手根管(しゅこんかん)症候群 を起こすこともあります。

関節リウマチは早めの治療が肝心

以前は関節破壊はゆっくり進むと考えられ、安静を保って様子を見ながら、症状が進むようであれば作用の弱い抗リウマチ薬から使い始め、少しずつ強い抗リウマチ薬へと段階を上げていきました。しかしその後の研究で、 関節破壊は発症してから2年くらいのうちに進む ことがわかってきたため、この10年くらいの間に治療法は劇的といってもいいほどの変化を遂げました。つまり、以前の段階を上げていく治療法とは反対に、初期のうちからしっかり抗リウマチ薬を使って関節の破壊を抑えていく治療法に変わったのです。

さらに最近、バイオテクノロジーの技術を使った新しい薬(生物学的製剤)が開発されました。この薬は、従来の薬では効かなかったタイプの関節リウマチにも非常によく効き、保険適用にもなっているので、効果的な治療法がなくて苦しんでいた多くの患者を救っています。

滑膜の炎症が進んで関節が破壊され、機能障害のある場合は、人工関節に置き換えたり、炎症によって切断されてしまった腱(けん)を修復するなどの手術が行われます。しかし、このようなことになる前に早く治療に着手すれば、その進行をかなり抑えることができるようになりました。このため、今や関節リウマチは、早く診断し治療を始める重要性が強調されるようになっているのです。

関節リウマチの詳細

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