貧血の中で最も頻度が高いのが、体内の鉄分不足によって生じる鉄欠乏性貧血で、鉄を成分とするヘモグロビンが十分作られないことで起こります。鉄欠乏性貧血は女性に多いのが特徴で、日本人の女性の10%弱にみられ、貧血のない鉄欠乏状態なら約40%にも達するという調査報告もあります。

鉄欠乏性貧血の症状

血液検査で鉄欠乏性貧血が明らかであっても、 無症状のこともしばしばあります 。ヘモグロビンが8~9前後の 重度の貧血でも、長期間続いている場合は、疲れ易さ(易疲労感)や階段の上り下りなどの際の息切れ(労作時息切れ)などの自覚症状に乏しく 、鉄剤の内服治療で貧血が改善して初めてそれらの症状があったことに気づく人も多くみられます。

鉄欠乏性貧血では、異食症(pica)といって通常は食べないようなものを摂取しようとする行為がみられることがありますが、 特に氷を食べたくなる氷食症 (pagophagia)は、日本人の鉄欠乏性貧血の15~20%にみられるといわれています。
氷食症は、鉄欠乏性貧血の軽快とともにみられなくなるものの、鉄欠乏の再発に伴って再び出現することも多く、再治療を始める目安になることもあります。

◆鉄欠乏性貧血の症状一覧

  • 心拍数の増加による動悸や息切れ
  • 易疲労感(疲れやすい)
  • 全身の倦怠感
  • 頭重感
  • 顔面蒼白
  • 狭心症様症状(胸の痛み)
  • 爪がスプーン状になる
  • 口角炎
  • 舌炎、
  • 嚥下(えんげ)障害
  • 異嗜症(いししょう)(泥、ちり、釘、チョークなどを食べる)

貧血を改善・予防する食事-貧血改善にいい食材5選

食事のバランスを整えて鉄分をこまめに摂取

貧血が重症化する前に、食事のバランスを整えて鉄分を摂取しましょう。特に、女性は月経のため、毎月鉄分を失います。貧血を予防するためにも、普段の食事からこまめに摂るようにしてください。

鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は、肉や魚などの動物性食品に含まれ、体内での吸収率が高いもの。非ヘム鉄は、卵や野菜などに含まれていて、ヘム鉄に比べ吸収率が低いとされています。ただし、非ヘム鉄はビタミンCやたんぱく質を含む食品と一緒に摂ることで吸収率がアップ。日本人が食事から摂る鉄分の85%が非ヘム鉄とも言われているので、逃すことなく摂取したいですね。いろいろな食材と組み合わせることで、吸収力アップを心がけましょう。

非ヘム鉄とビタミンCが両方含まれる食材も

鉄分を多く含む食材といえば、レバーやひじきなど。ほかにも、鉄分を豊富に含むのはもちろん、スーパーで手に入りやすく、比較的値段も安いものをリストアップしました。一品足りないなと思ったら、まず鉄分を含む食材をベースに副菜をプラスすると、食事のバランスが整いやすくなりますよ。

<手軽で安い! 貧血予防に摂りたい食材>

1. 小松菜

非ヘム鉄を多く含む小松菜ですが、同時にビタミンCも含んでいるので、ほかの食材と組み合わせなくても非ヘム鉄が体内に吸収されやすい食材です。おひたしはもちろん、味噌汁の具、スムージーにも活用できる万能食材と言えます。食物繊維が一緒に摂れるのも、うれしいポイントですね。

2. マグロの赤身

ヘム鉄のほか、たんぱく質、ビタミンが豊富な食材です。値段はそこまで安くありませんが、マグロのブツ切りならスーパーで通年手に入れられ、調理不要ですぐに食べられます。食事のメニューにプラスすれば、手軽に鉄分補給できます。魚類では、カツオ、イワシにもヘム鉄が多く含まれます。

3. レバー

鉄分を多く含む代表的な食材といえばレバー。鉄分が多いのは、牛<鶏<豚の順です。ただ、好きな人と苦手な人が大きく分かれる食材とも言えます。苦手な人は、少量をハンバーグの具材として混ぜ込むと、生臭さが解消でき食べやすくなります。

4. ひじき

こちらも鉄分を多く含む食材で有名。最近は製造工程に鉄釜を使わなくなったため、『日本食品成分表 2015年版(七訂)』ではひじきの鉄含有量が若干少なくなりましたが、海藻の中でも鉄分が多いことには変わりがありません。ひじきに含まれるのは非ヘム鉄なので、ビタミンCを含む食材と組み合わせて吸収力をアップさせましょう。「ひじき=煮物」となりがちですが、ひじきサラダも簡単でオススメです。水で戻したひじきをお湯でさっと茹でて水気を切ったら、オリーブオイルと塩、レモンで味付けを。

5. たまご

たまごには鉄分のほか、たんぱく質やビタミンB12、葉酸も入っているので、造血効果が抜群です。ただ、非ヘム鉄なので、吸収力を高めるためにはビタミンCが入った食材と一緒に摂りしましょう。キャベツやブロッコリー、ジャガイモなどがオススメ。ビタミンCは水溶性なので、炒めたり、蒸したりして調理するようにしてください。

身近な食材で摂取できる鉄分。いつもの食事に一品プラスして、こまめに鉄分を補給しましょう。

鉄欠乏性貧血の詳細

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