先天性心疾患の詳細

 先天性心疾患とは、生まれつき心臓に何らかの異常を認める病気です。さまざまな異常があり、その種類により診断名が決められています。1000人あたり6〜10人に認められます。  心臓は血液を体中に循環させ...
 先天性心疾患とは、心臓あるいは心臓のまわりの血管の構造が生まれつき異常な病気です。とても多くの種類があり、個々の疾患については各論に譲りますが、全体では約100人の新生児に1人の割合で認められるほど...

先天性心疾患の関連コラム

先天性心疾患の頻度(循環器の病気)

<br>先天性心疾患の発生する頻度は、どの時代でも世界的にほぼ一定していて、人種的および時代的に大きな差は認められないといわれてきました。 <br>発生の頻度は新生児1000人に対して7〜8人、軽い... 続きを読む

先天性心疾患関連リンク

goo検索で調べよう

先天性心疾患とは、心臓あるいは心臓のまわりの血管の構造が生まれつき異常な病気です。さまざまな異常があり、その種類により診断名が決められています。全体では約100人の新生児に1人の割合で認められるほど頻度の高い疾患です。心臓だけでなく、手足や顔の奇形など、他の先天的な異常を伴うこともあります。

心臓の働きとは?

心臓は1分間に60~80回もの収縮を繰り返し、血液を送り出しています。この収縮・弛緩運動が拍動(心拍)です。

電気信号がリレーされる

心臓は、心筋が規則的に収縮と弛緩を繰り返すことによって、一定のリズムで拍動を続けています。

心臓が休むことも大きく乱れることもなく、規則正しく拍動を続けていられるのは、“刺激伝導系“というメカニズムのおかげです。

刺激伝導系の発端は、心臓の運動の司令塔である“洞房結節(右心房の上端にある)“から「動け」という電気刺激の信号が発せられることです。

その信号は右心房の壁を通り、右心室との境界周辺にある房室結節に伝わります。さらに、そこからヒス束→プルキンエ線維(拍動の刺激を伝達する最終部分)に伝わり、最終的に信号に反応した心筋が収縮して拍動が生じます。

この電気信号は、房室結節でとてもゆっくりと伝えられるため、心房と心室では収縮に時間差ができます。

この時間差があることで、心房が収縮し、血液を心室に充満させ、次いで心室が収縮して血液を排出するという流れがスムーズに行われるのです。

“逆流“を避ける4つの弁

血液の循環にあたって、避けなければならないのが血液の逆流です。そこで、血液が一方向だけに流れるように働いているのが、心臓内にある4つの弁です。右心房と右心室の間にある「三尖弁」、左心房と左心室の間にある「僧帽弁」、そして肺動脈への出口にある「肺動脈弁」、大動脈への出口にある「大動脈弁」がそれです。

心臓が静脈から血液を取り込むときには三尖弁と僧帽弁が開き、肺動脈弁と大動脈弁が閉じます。逆に、血液を送り出すときは三尖弁と僧帽弁が閉じ、肺動脈弁と大動脈弁が開くというように、交互に開閉を繰り返して血液の逆流を防いでいます。

心拍数と心拍出量の調節

安静時と運動時では、心拍数や心拍出量を調節する必要があります。

調節機能としては、心筋が引き伸ばされる力に比例して、心筋細胞自体が収縮力を増すこと。また、自律神経(交感神経、副交感神経)から発せられるシグナルによって、心筋がその時々に必要な心拍をおこし、血液を全身に送り出すことなどがあげられます。

からだの各部位に必要なだけの血液を送る調節は、安静時では毎分の心拍数が70回、心拍出量は5.5L程度ですが、激しい運動を行った直後には、毎分の心拍数は200回以上、血液の拍出量は25Lにも達します。

先天性心疾患とは?

先天性心疾患とは、心臓あるいは心臓のまわりの血管の構造が生まれつき異常な病気です。心臓だけでなく、手足や顔の奇形など、他の先天的な異常を伴うこともあります。

胎児の心臓は、遺伝子に組み込まれたプログラムに従って、いくつもの遺伝子が、必要な時期に、必要な場所で、必要な量だけ、正確にはたらくことにより形成されていきます。この心臓の発生は、折り鶴を折る過程にたとえることができます。どの段階で折りたたみ方を間違えても、正しい鶴はできあがりません。心臓は、受精後3週ころより形成が始まり8週ころまでにほぼ原型ができあがります。この時期に何らかの胎内環境要因が心臓を作る遺伝子のはたらきに影響しても、やはり先天性心疾患の原因になります。ですから、ほとんどの先天性心疾患は、 遺伝的要因と環境要因が作用し合い 、その両者の作用の合計がある閾値を超えると発症する病気(多因子疾患)であると考えられています。

遺伝的要因としては、 遺伝子異常や染色体異常 、環境要因としては、 先天性ウイルス感染(風疹、コクサッキーウイルス)や、母体のアルコール摂取、薬剤、喫煙、糖尿病、貧血 などが代表的です。なかには、ひとつの遺伝子の異常が原因で発症する先天性心疾患(単一遺伝子病)もありますが、その場合でも、同じ家系で同じ遺伝子異常をもっていても同じ型の心疾患になるとは限りません。逆に、まったく異なる遺伝子の異常で、同じ型の心疾患を発症することもあることがわかってきました。

先天性心疾患の原因の内訳は、既知の単一遺伝子異常や染色体異常などの明らかな遺伝的要因によるものが約13%、胎児期の感染や薬剤等の催奇形因子や環境要因によるものは約2%といわれています。残りの85%では、はっきりした原因がわかりません。単一遺伝子異常や染色体異常によるものを除くと、一般的に、 先天性心疾患の患児が1人生まれた場合、次の子が何らかの先天性心疾患を発症する確率は2〜5% であり、一般に比べやや高くなることがわかっています。また、親が先天性心疾患をもつ場合に子どもが先天性心疾患を発症する確率もほぼ同様です。